2006年08月08日
桜庭和志、HERO'Sデビュー戦の「ミスジャッジ」の背景にあるもの
たとえて言うなら、あの亀田だってあと1回ダウンしていたら、どんな期待値があろうと負けていたはずだ。今回の桜庭の勝利は、その例えで言えば、「2回もダウンしたのに王者になった」くらい、はっきりとミスジャッジが指摘できるものだと思う。このミスジャッジの背後にある、心理学的と言ってもいい、期待に対する見えないプレッシャー。これを安易に笑ってしまう人は、おそらくイベントの当事者の気持ちはいつまで経ってもわからないだろう。作り上げたものを維持して、続けていく。このうえに「歴史」があるということも、多分、感じ取れない。
2006年06月22日
「強運」だからこそ経験できること〜ジーコジャパン・ブラジル戦を前に
短所は長所にも通じるものだ。日本代表の批判されている部分は、同時に日本人の良さにもつながっている。いまの豊かさの恩恵を受け、他国がうらやむような環境のなかで生活をしていながら、それを作り上げた力を否定的にしか見ないのは、これもまたバランス感覚に欠けている。大事なのは力の良い面を打ち消すのではなく、そこにプラスアルファ、世界でも戦える新しい能力、つまり、強い意思を加えること。彼らはかなり難しいことに取り組んでいる。しかし意思を持って取り組んでいる以上、理解しながら見守っていく必要がある。
2006年06月09日
ジーコが日本代表に伝えたもの〜身体論・ハラ感覚からひもとくワールドカップ
日本は外部の力をうまく活用することで、過去の歴史において幾度も自己の能力の掘り起こしに成功してきた。監督経験のない(明確な戦術のない)ジーコが選ばれた理由。それは、日本人がかつて明瞭に持っていたものを掘り起こし、呼び戻すプロセスと重なってくる。日本代表は、文字どおり、日本の代表なのだから、彼らが学んだプロセスは何らかの形で我々の日常に還元される(影響を及ぼす)だろう。
2005年11月21日
11.19「K-1GP決勝」を見た
それが肋骨を折ってアーツが棄権。リザーブファイトを制したクラウベ・ファイトーザが準々決勝に進出。……おそらくこの対戦相手の変更が、武蔵の勝ち運を奪ってしまった。トーナメント全体を見渡せば、もう一方のブロックでレミーがシュルトにKO負け。そして武蔵も、シュルトと同じ空手系の、しかも激しい(変則的な)飛び技をもったクラウベに、「不用意に打撃をもらって」敗退。今後のK-1を考えると、これはある種の天意が働いたようにも思えてしまう。
2005年11月19日
11.19「K-1GP決勝」を直前予想する
カギになるのは、第1試合のレミー×ホンマン。これが数年前のGPのホースト×サップ戦に不思議なくらいダブることは前に書いた通り。このときはホーストがまさかのKO負け、しかしサップの負傷により準決勝に繰り上がり、そのままなんと優勝までかっさらってしまった(ホーストはV4達成)。今回もこんなドラマの予感がプンプンする。なにしろ、戦前にさんざん挑発され、「名誉」が傷つけられているホンマンは、勝敗以上にレミーを潰しにかかる意図が見える。
2005年11月13日
フードファイター“復活”と日本人の身体感覚
筆者がつくづく思ったのは、「彼らはいったい何なんだろう?」ということ。もう少し具体的に言うなら、「サムライ」のテーマとも重複するが、彼らのようなフードファイターが、なぜ日本でのみ量産され続けるのか? テレビ局のサポートもなくなり、ファイターの多くは学生や社会人としての日常を送りながら、それでも不思議なくらいに情熱が持続している。そして、突然変異的に新星が現れる。これまで筆者は、それは武道でいうところのハラ(丹田)の感覚が特異に発達してきた日本文化の、ひとつのバリュエーションであると指摘してきた。フードファイターである彼ら自身、ほとんど自覚はないだろうが、冷静に考えてみても、風土との結びつきなしに彼らの出現は考えられない。
2005年10月25日
武田幸三はK-1MAXでなぜ「勝てない」のか?
というわけで、“アスリートのDNA”が染み着いた外国人ファイターと、なんだかんだと“サムライのDNA”を受け継いでいる「日本人」武田。「勝たなければ始まらない」という思いは日本人ファイターだって同じだと言うかもしれないが、日本人が往々にして「紙一重で勝てない」のは、染み着いている意識のレベルに関係している。しかし、その一方で、こうも言える。日本でなぜ、こうまで格闘技が隆盛を迎えているのか?
2005年09月26日
9.23「K-1ワールドGP開幕戦」を見た。
筆者はややホンマンを買いかぶっていた(過大評価しすぎていた)かなという気もしないでもない。ひとつは思ったほどにパンチ力はないこと、もうひとつはローの攻撃が効きそうなこと。その意味では、決して攻略不可能なモンスターなどではない。とはいえ、25日に行われた決勝の公開抽選の結果、なんと第1試合でディフェンディング・チャンピオンのレミー・ボンヤスキーとの対戦が決定!数年前のホースト×サップを思わせる組み合わせ。なにやら因縁めいている……。こうした対戦が「くじ」で決まるところが面白い。
2005年09月23日
9.23「K-1ワールドGP開幕戦」オンエアを前に。
筆者はホンマンのポテンシャルをサップよりも数段上と位置づけている。ということは、今大会のメインイベント(ホンマン×サップ)は、ちょっとした“世代交代”的な一戦という意味合いを持つ。つまり、サップが負ければ、サップのいたポジションにホンマンが入る。そして、次のGP決勝で自動的にトップファイターとの対戦が実現する。もしかしたら、GP決勝でホンマン旋風が吹き荒れるかもしれない……。
2005年09月10日
9.7「HERO'Sミドル級GP」を見た。
試合は互いの技術や精神力の「試し合い」という考えを持っている前田からすれば、こうした「割り切ったほうが勝ち」というような状況から一歩踏み出したものを、この先の展開に望んでいるように思われる。仮に前田の感覚がうまく伝わっていけば、格闘技も質的な意味でより「武道」に近いものに変わっていくだろう。これは「HERO'S」が先発の「PRIDE」にはないカラーを打ち出していく上でも、じつはかなり重要なテーマになってくるかもしれない。
