« イチローの「最多安打記録達成」から見えてくるもの | メイン | “オレ流”落合博満の「凄み」を分析する »
2004年10月09日
K-1GP開幕戦を見た
曙がボンヤスキーのハイキックでK0負け。デビュー以来の5連敗。何かをつかむことができたかという話だが……、評価は相変わらず難しい。
突進してのパンチの連打には「お、できるんだ」という感動が確かにあった。押し込み方に相撲時代の名残りはあったが、いまの彼はとりあえずK-1ファイターになったのだと見ていいだろう。
ただ、前回も書いたが、相撲取りの体は相撲にしか向いていない。動きや技を応用することはできても、体が力士のままでは限界がある。
とはいえさかんに言われる減量は、テクニックの習得以上に難しいだろう。KONISHIKI(小錦)を見てもわかるように、もしかしたらもう「後戻りできない体」なのかもしれない。
ただ話を覆すようだが、太っている=動きが鈍い、とは限らない。
感覚的な体の軽さと実際の体重は、必ずしもイコールではない。だから安易に減量すれば動きが良くなるとは言えない。これがわかっていない人が多い。
感覚の問題だから、これは本人にしかわからない。もしかしたらいまの体重、いまの体型のままで、適応できる可能性もあるということだ。
変化の本質は目に見えるものではない。だからこそ、つかむのは難しい。その意味では具体的に「50キロ痩せる」と目標にするほうがたやすいとも言える。
しかし繰り返すが、痩せたからいいというわけではない。堂々回りのようだが、得てしてこういう場合「答え」は意外なところに転がっている……。
武蔵に関しては、単純に「貫禄がついたな」と思う。
ホーストとフェイトーザの試合を見ても思ったが、内容的に大きな差があったわけでなくても「とりあえずホーストの勝ちだな」と観客の多くも思ったはずだ。
それと同様、この1年くらいでいつのまにかアビディと立場がひっくり返ってしまった。一度ひっくり返ってしまうと、覆すのは相当に難しい。
GP決勝は初戦でセフォーと当たるが、完全に互角という印象。面白いものだ。実力がついたのだと言えばそれまでだが、それも具体的な数値で示せると言うより、感覚的なものだろう。
しかし感覚的だからこそ、確かなものなのである。去年と同様にボンヤスキーと武蔵の決勝がまた見られるかもしれない。ただ優勝までできるかとなると、微妙だ。今度はそのポジションを、彼がどうやって突き崩せるかにある。
そろそろ勝ちをもぎ取るのではと思っていたボタが、予想通りと言うべきか、バンナに勝利した。
ボタはK-1に参戦した当初から何となくキックの間合いをつかめていたような(つかむことができそうな)印象があった。
ほかのボクサーが慣れないキックに成す術なしといった感じで敗れていたのに対し、どこか戦い方が違って見えた記憶がある。このまま上達すると、なかなか負けない老獪なファイターになる可能性がある。
ただ、曙にも言えることだが、今後他のジャンルのスポーツ選手がK-1に挑戦してきても、今まで以上に勝つのは難しくなるだろう。トップファイターのレベルがいま一段上がりつつある。
バンナの不振がこのまま続くようだと、マイティ・モーあたりがその地位を脅かすこといなるかもしれない。
もうそれは来年には起こりうる展開だ。ただ、夢の見れるコンテンツとしては、サップの戦線離脱以来、ひと回りしぼんでしまった印象がある。
固定ファンはついているので、しばらくは今回のようにやや地味めに、コツコツ「いい試合」を提供するような状態が続くかもしれない。
武蔵に貫禄がついたといっても、まだカリスマとまでは言えない。ボンヤスキーがカリスマになれるかどうかも微妙だと思う。
ミルコもマクドナルドに敗れたのをきっかけに総合で復活を遂げたが、その意味では今回タイ人敗れたイグナショフが大化けする可能性はある。
投稿者 長沼敬憲 : 2004年10月09日 17:22