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2005年02月25日

PRIDE29&K-1MAXを振り返る。

 興行戦争だったのかは知らないが、ここ数日でPRIDEとK-1が立て続けに開催された。今回はあまり気が乗らなかったので事前予想はしなかったが、ともにテレビで見て多少の発見があった。いくつか思いつくままにつづっていってみよう。

 まず、20日に行われたPRIDE29から。大晦日イベントと春のミドル級GPの間の「谷間の興行」などと言われるなか、気になったのは、テレビに放送されなかったアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラとアリスター・オーフレイムの試合。

 ホジェリオはヘビー級王者にもなったホドリゴ・ノゲイラの双子の弟。
 兄に比べると注目されていないし、存在にあまり華はない。ファンとしては微妙に感情移入しにくい選手であるわけだが、初来日以来、そこそこの強敵と当たりながらまだ負けがない。
 ただ、兄のように派手な関節技で仕留めるというより、判定決着が中心。なんだかこのペースのままで実績を積んで、ある段階で急に注目されそうな予感がする。

 具体的に言えば、4月からのミドル級GP。王者シウバを含め出場候補の選手はみな実力が拮抗している。華はないが勝負強いホジェリオは影の優勝候補。兄の運気がやや後退している分、今年は弟のほうが表舞台で活躍し、取材などされる機会も増えてくるかもしれない。

 運気の話で言うと、ホジェリオとテレビで結構アオっていたシュートボクセのマウリシオ・ショーグン、日本人では吉田、田村はいいカンジだ。
 桜庭もさほど悪いとは感じない。代わりにシウバはわずかずつだが運気は落ちているように思える。まー、このあたりは自分の感覚で言っているだけで根拠などはないが、実力差がない者どうしの対戦で重要なのは、こうした身体から発散している「気」。
 プロモーターにこれを見る目があれば、選手の起用法なんかも変わってくるわけだが……。GPについては、後日情報がある程度集まったところで、改めて分析させてもらうことにしよう。

 続いて、K-1MAX。こちらは今回が中量級の日本代表決定トーナメント。小比類巻の1回戦の判定はかなり微妙で、会場ではブーイングがかなりあったよう。
 ジャッジは否定するだろうが、彼を勝たせようという心理が判定に微妙に反映されたのかもしれない。テレビも含め観客は傍観者の立場で試合を客観的に見られるが、ジャッジやレフェリーはもっと入り込んだところで試合を判断している。
 はた目におかしいことでも、異なる心理の中で試合が裁かれることはありえる。確信犯でなくても、心理的な部分でホームタウンデシジョンみたいなものは働いてしまうのだとぼくは思っている。

 まあ、でも感心したのは、小比類巻も安廣も、そのへんの機微をそれなりにわかっていたらしい点。
 小比類巻はこれで動揺せず、2回戦以降、気持ちを切り替えられたのは精神的にタフな証拠。たくましさを感じる。
 また、安廣もいたずらに腐ったりしなかったようだ。不満はあるが、明らかな優勢でなかった以上自分の負けだと今では思っているのではないか。
 キャリアを積んでいけば、彼も小比類巻の立場で戦える時が来る。そしてその立場にはその立場の課題がある。判定はファンのことを考えると不透明はよくないが、一現象として見た場合、これも選手を試すシチュエーションとなる。
 このあたりを通過していくことで、ただの純粋培養ではない、タフなファイターが生まれていく。

 クラウスとブアカーオの王者対決は、後出しのようで申し訳ないが、クラウスが有利だと筆者は思っていた。
 K-1MAXの場合、王者経験のあるこの2人と魔裂斗が横綱クラス。しかしクラウスだけが魔裂斗や、大関クラスの小比類巻に負けている。今回負けたら事実上横綱陥落といったところだっただろう。本人はそれを自覚していたはずだが、ブアカーオはそのようなシチュエーションは理解できていなかったように思う。

 これは相手の戦い方をビデオで観察するだけでは見えてこない。シチュエーションが人を強くもするし、弱くもする。クラウスの危機感をブアカーオがもっと感知していれば、彼の戦い方もそれなりに変わっていただろう。
 試合そのものは強いが、そうした嗅覚が欠けていた分、あと一歩の結果が出せなかった。「負けたことも経験になる」と彼は試合後に語ったようだが、このあたりが見えていないようだと、GPの連覇は難しいかもしれない。
 ちなみに魔裂斗はかなり明確に見えている。見えていたからこそ、年末のKIDとの試合を(内心では)厭がっていたのだとぼくは思っている。

 試合そのもので面白いと感じたものもあったが、それは多分雑誌の記事ともさほど違いはないと思う。とりあえずピンポイントの感想でした。

投稿者 長沼敬憲 : 2005年02月25日 16:13

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