世界の常識を覆えす日本人アスリートの身体感覚



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 「サムライ」は2001年5月に幻冬舎より刊行された、ぼくの出版デビュー作です。といっても、はじめから本にしようとして書き上げたというわけではありません。

 会社をやめて2年ほど小説(*「たましい」のこと)の執筆を続けていましたが、これがあまりに大変で、何もこんなに大変な思いをしなくても、書きたいことを書けばいいじゃないか。……書き上げてほっとした気持ちと一緒に、そんな思いが湧いてきました。
 ま、言葉にするとカンタンですが、2年間大変な思いをしてきた当時のぼくにとって、これがものすごく新鮮な感覚だったのです。

 自分に枠を設けずに、感じたことに事実を肉付けをして、ひとつの読み物に仕上げてみる。

 そんなことを思うともなしに思いながら、メジャー入りが取り沙汰されていた当時のイチローのバッティングをテレビでぼんやり見ていた時にふっと浮かんだのが、第1章のタイトルにもなった「イチローは「弓の名手」である」というフレーズ。

 興味を覚えて調べてみると、弓術の修行に打ち込んだドイツ人哲学者・ヘリゲルのことなど、いくつもの面白いエピソードを知ることができました。
実際に弓道をやっている人に聞くとヘリゲルの話はかなり難しいのだそうですが、ぼくには彼が何に悩み、何を問題にして弓に取り組んでいたのか手に取るようにわかりました。

 この修行の感覚の目を通してイチローの発言を読んでいくと、イチローの感覚もずっと鮮明に見えてきました。その見えてきたものを、見えてきたなりにまとめたわけです。

 ほかの章も発想はだいたい同じです。一部の読者に指摘されたように、文中に登場する本人への取材はほとんどしていません。これにはいくつか理由がありますが、長くなるので別の機会に話すことにしましょう。

 ともあれ小説の方は「よくわからない」と却下されてしまいましたが、ある意味軽い気持ち(?)で担当者に見せた「サムライ」とんとん拍子……とはいかないまでも出版の運びになり、ぼくのデビュー作となりました。

 この作品で扱った分野は身体論」と呼ばれていますが、自分なりの発想を世に問うた責任がありますから、その後も勉強を続けて、2冊目に出したのが「脳を超えてハラで生きる」(地湧社)です。




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*当サイトでは各章の一部を抜粋して紹介します。













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